リアルな縮尺模型って何?

今月の電撃誌のガンタンクの作例の話です。

コママツくんと話したんですが、なんかおかしい?と。
・フロント部の溶接跡の再現
・ 予備のキャタピタを設置しているコト
・ エッチングパーツの網
・ このウェザリング加減は?
全部1/48とか1/35のミニタリーモデルの表現をそのまま使っています。

「じゃあ100倍したらどうなんの?」と…

・ どんだけ凹凸のある溶接跡なんだよ!ジムが溶接ガンを持って処理したの?
・ 前線でキャタピタが切れたとして予備は持ってるけど、ばかデカイキャタを誰が交換すんの?(やっぱりジムが交換作業する?)
・ リアルさの追求で極細目のメッシュを付けたけど、それでも15cm角くらいの穴なんじゃない?
・ すっげー泥付いてるけど、どうするとこんなに汚れんの?

どこまでリアルさを追求するのか?
記事にも書いているのですが「戦車としての記号を盛り込むか」ともあります。
あくまで模型。それも現存しないもの。いかにそれっぽく見せるかが腕の見せ所。
モビルスーツに馴染み深いミニタリーモデル的表現をすることで、分りやすく現用兵器っぽく見える錯覚を起こすことが出来る。
模型表現として良くあることだし、否定もしません。

ただ「現用兵器っぽく見える錯覚」なので錯覚しない人もいるんです。
その一つが、先ほど書いた100倍したらなんです。


今回のガンタンクのミニタリー表現も、私のようにあまり知識の無い立場で考えると「別にいいんじゃないそれっぽいし。」と思いがちになります。ただ、すごく分りやすく説明するならこうなるんです。

「このテレビのリモコン。形がカッコいいからガンダムの楯にしてみた。」

そこには「リアル」も「~っぽく」もなく、ただテレビのリモコンが付いたガンダムなんです。間違ったミニタリー表現は、分る人が見るとそういう事なんです。

かつて流行った「マックス塗り」もそう。
モデルのエッジの部分が黒い。平面の紙面にモデルの輪郭を強調させることで、より立体的に映し出すことが出来る特殊な技法。また、ぢかにモデルを見る場合でも同じ効果を持ち、見る人によっては普通の塗装もモデルより、特殊効果を施したようにカッコよく映る。

ただやっぱり100倍した事を考えると、エッジ部が黒いものなんて何も無いから嘘ということにはなるんです。

今回のガンタンクにはありませんでしたが昔、ワタナベさんというプロモデラーさんが、ガンダムの額のアンテナの赤い所に「DANGER」というマーキングをしていました。確かにそのマーキングは▽のマークと組み合わさっていて、見た目にはカッコいいマークではあったんです。
ただ意味としてはガンダムの額に漢字で「危険」て書いてあるのということなんですよね。
外国人が「爆笑」とか「激辛」など、見た目がなんとなくカッコ良さそうな自体のTシャツを意味も分らず、何の抵抗も無く着ているのと同じ。私達が来ているTシャツやトレーナーの英語文体も実は危険ゾーンに入っているのかも。


なんでもかんでも、完璧なる縮尺でないダメなのか?
人の目は、大きいモノを見た時と小さいモノを見た時との印象の違いが起きる。
それが同じ形のモノだったとするといろいろ違和感があるので、模型を制作にするに当たっては、濃淡のある塗装や光沢の塩梅で大きさや質感を表現したり、身近な記号をモデルに施して実物に見えるような錯覚を起こさせる。
そこに若干のウソが発生してしまうこともあるが、錯覚させないと「何分の何という縮尺模型」では無く、「何センチという大きさのモノ」としか見えないという場合もあるんです。


縮尺模型であると決めて製作するにあたって、ウソの千切りをどこでするかは各自の判断になってしまいます。モデルを形成するプラスチックの肉厚だったり、極薄の厚みと言われているエッチングパーツの使用。配線ケーブルの再現で極細の金属線を使ったり、伸ばしランナーで作ったりしても、縮尺の数字の分大きくした時、どうしてもオーバースケール(ウソ)になってしまう限界点もあります。
スジ彫りディテールもそう。0.5ミリでケガいても、実寸に計算すると5センチ幅の溝。
実際、自動車のボンネットやドアの隙間の溝は5ミリ前後。
いくらお台場ガンダムでも、ジャンボジェット旅客機のような大きな乗り物であっても、メンテナンスハッチ(着陸脚の収納ハッチ)や搭乗口等のスキマが5センチあるとも考え難い。
(開閉に必要なクリアランスで5センチ以上必要なのは考えられるが、スライドして開くのだろうから、閉じている時はそんなに隙間は無いのでは?と思う。)


いろいろ模型作りを制約するような事を書いてきましたが「出来る限りウソの少ない縮尺模型を作る」という考え方は私の模型製作にはありませんし、みなさんに目指しましょうと言うつもりもありません。

ただ自由な発想すぎるコトと知識が無さすぎるコトで、「テレビのリモコンが楯になっているガンプラ」は作らないようにしましょうと言いたかったんです。


長ーい前置きでしたが、11/28までのガンタンクです。
本体の内装骨格はグレーで塗装を済ませ、外装甲の塗装に入ります。
PO20091129_0001.jpg
下地は「つや消し黒」でまっくろろくすけにして、筋彫りや逆エッジの部分に塗料が乗らないように、本体色を吹き付けてみます。こりで「恐怖のスミ入れぱきぱき」の作業を省くんです。

PO20091129_0002.jpg
赤い部分だとこんな感じ。ドライブラシやグラデーション塗装は、ミニタリー系の小スケールものだと陰影の錯覚が働いて実物感が発揮されるんですが、ガンプラだと「100倍すると」の理論があるから、過度な斑は以外と不評な場合も有る?

気分良く塗装ingしていたら、大きなヒケを発見。
PO20091129_0003.jpg
パテ持って1000番までペーパー掛けした状態。
サフ吹いてから再塗装。
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電撃誌のガンタンクの評価は?

電撃誌のガンタンクは、粗末な作例と貶しているわけでは無いんです。
ミニタリー要素の加工は、高水準で施してありますから。

ライター本人も書いているのですが、「1/100のスケール感を損なうから、頭部コクピットのフィギュアを見せないことで大きさの比較物を隠した」あります。

これが逆に「人間との対比を無くてしまったコト」で、
・溶接跡
・エッチングパーツの細部ディテールの厚み
・塗装の質感(特に履帯の汚れ具合)
・コーション文字の大きさ
等から、直感的に大きさを推測することになるので、4~5m位の兵器に見えてしまうんです。

15mの大きさの兵器を表現した模型にしては、ちょっと残念だったねという結論だったんです。
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群馬県の模型サークル。「前橋ジオラマ部」さん、「サンデーモデラーズクラブ」さんの活動報告の合間に、私(しももだ)が、自身で作った模型や、オモチャやアニメの記事を好き勝手に差し込んでいく構成になっております。
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